FOLFOX療法では、7つの点滴(私の場合)を行います。最後の5-FUという抗がん剤は46時間もかかります。つまり、2日近くずっと点滴をしながら過ごすことになるのです。
その間、何をしているのか。動けるのか。眠れるのか。
入院治療していたころの1日を、起床から消灯まで記録しました。また、自宅治療に切り替えてからの、私の過ごし方もご紹介します。
※ あくまで私個人の体験です。病院や治療内容、症状によって流れは異なります。
抗がん剤の点滴スケジュール
私の場合は、血液と尿検査をします。検査結果や体調、副作用の具合などから、薬剤の量をどうするか、パスするのか予定通り行うのか、などを医師と話し合って決めます。
そして、翌日の昼頃から抗がん剤治療(点滴)を行います。
- 火曜日 血液検査、尿検査
- 水曜日 抗がん剤スタート(ここから46時間)
- 金曜日 病院で針を抜く
つまり、水曜から金曜の夕方までずっと点滴中なのです。金曜の夕方に病院へ行き、点滴を外してもらってやっと1回分が終わるのです。
ここから徐々に副作用が現れてくるので、自分で保湿剤やステロイド剤を塗ってケアします。そしてまた2週間後の火曜日に血液・尿検査をして・・・と繰り返していくのです。
入院中の1日|6時起床、21時半消灯
初日:7つの点滴を入れていく
抗がん剤は全部で7つの点滴を行います。午前中に病院へ行き、体温・血圧・酸素濃度を測定。そして体重を計測して薬の量を最終決定。最後に、診察して体調を確認して問題なければ、病室に移動して抗がん剤治療を始めます。
まず、CVポートに針を刺してポートを洗浄し、抗がん剤治療の準備をします。
主な薬剤は、
- ベクティビックス:分子標的薬
- エルプラット:抗がん剤
- レボホリナート:5-FU増強剤
- 5-FU:抗がん剤
の4つで、残りは吐き気止めや、ポート洗浄などです。
最後の5-FUは、46時間かけてゆっくりと身体の中に入れていきます。
二日目から
私の場合、次のようなスケジュールで過ごしていました。

朝6時、看護師さんが「おはようございます!」と病室に入ってきて電気をつけ、起床となります。だいたいその前から起きていますけどね。早起きの方が日の出と同時にカーテンを開けたりします・・・。
そして看護師さんの朝の回診が始まります。その後、お腹が空いた8時ごろに朝食。朝昼晩で1500kcalに制限されているので、超少なめです。
そして10時半ごろから唯一の予定であるリハビリに向かいます。リハビリ療法士と雑談しながら過ごす時間は、これまた唯一のおしゃべりタイムでもあります。身体を動かしているうちにあっという間に終了。終わった後、やはり体が軽く感じます。
あとは看護師さんと担当医の回診、薬剤師から薬剤の説明です。まれに栄養士さんの問診が不定期で入ります。
回診では何を測るのか
毎回、「体調変わりないですか?」と軽く会話して変わったところがないか様子チェック。そして、
- 体温
- 血圧
- 血中酸素濃度
- 抗がん剤の残量
を毎回チェックします。最後の抗がん剤の残量チェックが、46時間の点滴ならでは。毎回秤に乗せて抗がん剤の重さを確認します。順調に減っていれば問題なしです。
入院中の46時間は、結構な不自由を感じます
入院中は楽ではありません。
- フロアから出られない:好きなように動けない
- 食べたいものが食べられない:寝てるだけなのであまりお腹は空かない
- 起床・消灯が早い:眠れないことが多いのでキツイ
- 周りのいびき:人のこと言えないけど・・・
痛いとか苦しいとかはないのですが、不自由さがじわじわとストレスになります。
入浴について
私が通っている病院にはシャワーがあるのですが、基本的に入りません。
面会について、必要最小限で差し入れが必要なときだけ
面会は毎日ではありません。何か必要なものがあるときだけ妻に来てもらいました。当時は、まだ面会制限のようなものがあって時間が15分とかなり限定されていました。コロナの名残のようです。
持ってきてもらったのは、
- イヤホン
- 電気髭剃り
- 着替え
- 雑誌
などです。消灯が早くて、周りのいびきが聞こえて、やることがない・・・。 だからイヤホンと雑誌などが必要なのです。入院に持っていくものについてはこちらの記事にまとめています▼

自宅で抗がん剤治療を行う場合
通院での治療に切り替えてからは、46時間を自宅で過ごしています。
こちらのほうが、はるかにいい。
こうやってブログの記事を書くことが出来ます。洗濯掃除、料理などの家事もできるし、ピアノも弾ける。
点滴をしながら、普通に生活しています。フロアから出られないということもないし、食べたいものが食べられる。消灯の時間も自分で決められます。
ポンプは、病院でもらった専用のショルダーバッグに入れて肩からぶら下げています。
抗がん剤ポーチを付けて、トイレに駆け込みながら出かけています
家の中にいるだけではありません。抗がん剤ポーチを付けたまま、出かけたりしています。
- 2025年10月17日(金)の朝:横須賀の軍港クルーズ。この日の15時に針を抜きました。 46時間の最終日の朝に、船に乗っていたことになります
- 2025年11月6日(木):東京ビッグサイトのモビリティショー。こちらは中間日で、まるまる1日ポンプと一緒でした


割と自由に動き回れます。ただし、楽に出かけているわけではありません。外出中は、何回もトイレに駆け込んでいます。お腹の張りに苦しみながら出かけている、というのが正直なところです。
トイレで苦労している様子は、こちらの記事に書いています▼

それでも、病院のベッドで寝ているよりは、ずっとアクティブに過ごせます。
抗がん剤をしている間は、あまり眠れません
これは入院でも自宅でも同じです。抗がん剤が入っている間、私はあまり眠れません。
理由は2つあると思っています。
ひとつは、薬そのもの。 そういう覚醒作用があるのかもしれない、と思っていますが、正確なところは分かりません。ただ、一緒に治療している友人も「眠れない」と言っています。 私だけではないようです。
もうひとつは、ポンプの存在です。 やはり気になります。寝返りを打つとポンプにぶつかって、目が覚めることも。そのたびに身体の後ろに回して、また寝ます。
46時間ということは、2晩をこの状態で過ごすことになります。入院中はここに、早い消灯と周りのいびきが加わります。結構ストレスなんです。
眠れないので、自転車に乗ったりします
点滴をしたまま、自転車にも乗ります。オンラインのサイクリングアプリ(Zwift)です。汗をかかない程度の、ゆっくりしたグループライドを1時間くらい。海外のがん仲間から誘いがあれば、21時でも24時でも合流します。
どうせ眠れないので、お互いの近況を話しながら漕いでいるほうが、楽しい時間になります。
抗がん剤ポーチのストラップを外して、サイクルパンツの腰ポケットに入れて漕いでます。断熱ポーチなのと、体温によって流入量がコントロールされているそうなので問題なしと思ってます。



46時間が終わったら|病院で抜いてもらいます
46時間の点滴、金曜の夕方に病院に行って終わりとなります。CVポートに繋がれた針を抜く手順は次の通りです。
- 看護師さんがまわりのテープなどを除去
- 医師が透明な液体(後述)を2本注入して針を抜く
- 看護師が絆創膏を貼る
刺すのは看護師さん、抜くのは医師です。担当が分かれています。
注入している2種類の液体
この「透明な液体を2本」について看護師さんに聞いてきました。
1本目:生理食塩水 …… ポートの内部を洗い流す
2本目:ヘパリンロック …… 血栓による詰まりを防ぐ効果がある液体
つまり、洗ってから、詰まらないようにする薬を入れているのです。胸に埋めた器具を2週間に1回ずっと使い続けるわけなので、毎回これをやってもらえるのはありがたいです。
これから46時間の点滴を受ける方へ
痛みはないので、その心配はありません。CVポートに針を刺すときにチクッとするくらいです。点滴の付け替えは、チューブの先の方で点滴バッグを取り換えるだけなので、針を抜き差しすることもありません。ウトウトしている間に進んでいたりします。
入院治療の場合は、時間をつぶせるもの(イヤホン、本、雑誌)が必須だと思います。私はあまりに暇なので、途中で妻に持ってきてもらいました。
通院治療にしてからは、すでにご紹介したように、よりアクティブに過ごせています。副作用が気になる方は、看護師さんにすぐに診てもらえるほうが安心なので入院治療を、副作用があまり気にならないなら自宅での治療をお勧めします。
