大腸がんステージ4と診断されてから、抗がん剤治療を始めるまでに2つの手術を受けました。CVポート埋め込み手術と、大腸ステント挿入手術です。
がんと告げられた直後、そのまま入院。当日から検査と手術の説明が始まり、3日後には手術台に上がっていました。あまりに急な展開で、何が何だか分からないままに治療生活が始まったのです。
筆者CVポートって何?ステントって何をするもの?痛いの?
あの頃の自分が知りたかったことを、この記事にまとめます。
- CVポート埋め込み手術の流れ、痛み、術後の感覚
- 大腸ステント挿入手術の流れと術後の体感
- 大腸カメラ・胃カメラなど、抗がん剤前の検査で何をしたか
- 診断から抗がん剤開始まで約1か月の全スケジュール
抗がん剤治療を始めるまでに必要だった処置
2025年3月27日に大腸がんステージ4・肝臓全体への転移と診断され、そのまま入院。医師からは、



すぐにでも抗がん剤を打たないと危ない
と言われましたが、すぐには打てません。抗がん剤を安全に投与するための「準備」が必要だったのです。診断から最初の抗がん剤投与まで約1か月、以下の検査・手術を行いました。
3月28日:大腸カメラ&サンプル摘出
がんの遺伝子タイプを調べるためのサンプル採取
3月31日:CVポート埋め込み手術
抗がん剤を投与するための入り口を胸に設置
4月3日:ステント挿入手術
がんで塞がった大腸を広げるメッシュ管を設置
4月4日:胃カメラ・レントゲン確認
他の臓器への転移確認とステントの広がり確認
4月24日:第1回 抗がん剤治療(FOLFOX)開始
CVポート切開部の皮膚が落ち着くのを待って、一時退院を経て治療開始
ここからは、それぞれの手術について詳しく書いていきます。
大腸カメラ検査|がんが大腸を塞いでいた
診断の翌日、大腸カメラで大腸の内部を確認し、がんのサンプルを摘出しました。
結果は衝撃的でした。すでに大腸を塞いでしまうほどに広がっていて、カメラが入っていかない、、、
このとき採取したサンプルから、遺伝子タイプ(RAS遺伝子の変異の有無)を調べました。結果、分子標的薬「ベクティビックス」が使えることがわかりました。使える薬が見たかったのは、大きな救いでした。
CVポート埋め込み手術|局所麻酔で30分、目が覚めたら終わっていた
2025年3月31日、CVポートの埋め込み手術を受けました。
CVポートとは?
CV(Central Venous=中心静脈)ポートの略。正式には「皮下埋め込み型中心静脈ポート」。胸の皮下に埋め込む小型のデバイスで、100円硬貨くらいの大きさです。
ポート表面にはセプタムと呼ばれるシリコーンゴムがあり、ここに専用の針を刺して薬剤を投与します。ポートからカテーテル(チューブ)が首筋に沿って挿入されています。


(画像:看護Roo!)
なぜCVポートが必要なのか
腕の細い血管から抗がん剤を入れると、血管への負担が大きく、刺激の強い薬剤で血管を痛める可能性があります。針を何度も刺し直す苦痛もある。
CVポートがあれば、大きなセプタム部分に1回で確実に針を刺すことができます。治療中も両腕を自由に動かせるので、本を読んだりスマホを触ったりできる。日常生活を送るためには必須なのです。腕に留置針を入れた場合は腕を動かすと薬剤が漏れる危険があるので、この差は大きいです。
CVポートの利点と欠点(病院の説明書より)
✅ 利点
・1回で確実に針を刺せる
・外見上ほとんど目立たない
・治療中も両腕を自由に動かせる
・太い血管に投与するので血管を痛めにくい
・約2000回繰り返し使える
❌ 欠点
・埋め込みに小手術が必要
・合併症の可能性がある
・異物を体内に入れることへの不安
手術当日の流れ
手術同意書には「抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)」と書かれていました。長い名前ですが、要は「抗がん剤を入れるための管を胸に埋め込む手術」です。
麻酔は局所麻酔でした。手術前に麻酔同意書と手術同意書、輸血の同意書にサインしました。
そして医療ドラマでよく見る手術室の巨大な照明の下で仰向けになり、



ああ、本当に手術するんだな。もう後戻りはできないな。
そんな気持ちになったのを覚えています。
麻酔が効いたのか、気がついたら手術は終わっていました。手術台の横で医師が妻に、



手術は無事に終わりました
と電話しているのをボーッとしながら聞いてましたね。
右胸を見てみると、ウズラの卵のような盛り上がりがあります。そこから首筋に沿ってあごの下まで15cmほどの管が伸びている。その存在を指先で確認するのが、新しい日課になりました。
痛みについて
手術中は局所麻酔のおかげで痛みはありませんでした。術後の痛みも特になかったです。手術が終わって毛布にくるまれながら病室に運ばれたのは覚えています。
実際に抗がん剤治療が始まってからは、毎回このCVポートに針を刺して点滴を受けています。腕に何度も針を刺されることを考えると、CVポートにして本当によかった。
看護師さんの話では、



CVポートは2000回くらい繰り返し使えますよ
2週間に1回の治療ペースなら、75年以上もつ計算。耐久性は十分です。
大腸ステント挿入手術|「リンゴの芯」になった大腸を広げる
CVポートの傷が少し落ち着いた4月3日、大腸にステントを挿入する手術を行いました。
なぜステントが必要だったのか
大腸カメラで確認したとおり、がんが大腸を塞いで便が通らなくなっていました。レントゲン画像では大腸が「リンゴの芯」のようになっていた。便が出ないわけです。
このまま放置すると腸閉塞のリスクがある。そこで、金属メッシュ状のステント(円筒形の管)を大腸に挿入して、通り道を確保する手術を行いました。


(画像:看護Roo!)
手術の流れと痛み
この手術もあっという間でした。最初は麻酔が効いてなくて、看護師さんに



麻酔が効いてませんよ!
と訴えたのを覚えています。その後、追加されたのかは記憶になく、目が覚めたら終わっていました。
術後は、肛門付近になにか余計なものがある感覚がずっと続きます。違和感はあるけど痛みはない、そんな感じです。
レントゲンでステントの広がりを確認
後日、レントゲンでステントの広がり具合を確認しました。無事に広がっていた。


通り道は確保できた。先が見えた気がしました。
ステントのその後 ── 8か月後に行方不明に
2025年11月、4月に挿入したステントが行方不明になりました。10月のレントゲンやCTで確認できない。
可能性としては、がんが縮小して自然と排出されてしまったか、腸の動きで少しずつ押し出されたか。いずれにしても、便と一緒に出てしまったようです。
ステントがなくなった後は、やはり便の出にくさを感じます。ただ、抗がん剤の効果でがん自体が小さくなってきているので、下剤の調整で対処できています。
胃カメラ検査|転移なしで小さなガッツポーズ
食道や胃に転移していないかを調べるために、胃カメラ検査を行いました。
結果は転移なし。手術の必要もなし。心の中で小さなガッツポーズ。
大腸がんは肝臓に転移していましたが、食道や胃に広がっていなかったのは幸いでした。なんとか食事はできそうです。
手術を受けての感想|怖さよりも「あっけなさ」
CVポートもステントも、事前のイメージよりもずっとあっけないものでした。局所麻酔で寝ている間に終わる。術後の痛みも特に気になりません。もちろんここは個人差はあるかと思います。
むしろ辛かったのは、がんと告げられてから手術までの数日間、次々と渡される同意書にサインし続けたことです。輸血の同意書、麻酔の同意書、手術の同意書。それぞれに「合併症の可能性」「感染症のリスク」と書いてある。読むたびに、自分が重い病気なのだと思い知らされました。
でも、この準備があったからこそ、抗がん剤治療をスムーズに始められた。CVポートのおかげで毎回の点滴が楽になりましたし、ステントのおかげで便の問題も一時的に解決できました
これから同じ手術を受ける方へ。手術そのものは怖くなかった、というのが正直な感想です。






