【大腸がん闘病記】抗がん剤治療中の血液検査の結果と医師の診断

血液検査の結果

こんにちは。「大腸がん日記」の運営者です。

抗がん剤前の血液検査&尿検査ってありますよね。

体調によって何となく結果は予想できますが、それでも数値は気になるもので・・・

筆者

心配性のわたしは、血液検査の前日は眠れないくらい緊張します><;

注射嫌い・・・という理由もありますが。

採血を終えてから診察室に呼ばれるまでの間は、そもそも待ち時間が長くてがん患者にはキツイし、抗がん剤が出来る/出来ないでは今後の一週間のみならず治療方針も変わってくるので、運命の分かれ道のような気分です。

この記事では、わたしが実際に抗がん剤治療中の血液検査結果を公開します。

さらに、それぞれの項目が何を意味するのか、そして、その数値を基に医師がどのように判断しているのかを、私自身の経験と学び、医師からの説明をもとにご紹介したいと思います。


目次

大腸がん闘病中の血液検査の結果

以下が、私の実際の血液検査データ(抜粋)になります。背景色グレー(低すぎ)、ピンク(高すぎ)を表しています。

スクロールできます
検査項目9/309/169/98/268/127/297/157/16/216/176/105/275/134/244/164/13/27
 総蛋白:6.5~ 8.2
血液中に含まれるタンパク質の総量です。栄養状態や肝臓・腎臓の機能などと関連があります。
6.76.4 6.3 6.1 6.2 6.1 6.3 6.4 6.46.6 6.16.86.6 6.4 6.1 6.06.7
アルブミン:3.8~ 5.3
肝臓で作られる血液たんぱく質。値が低い場合は、栄養不足、肝臓や腎臓の疾患、炎症性疾患などが疑われます。
4.13.9 3.8 3.7 3.73.84.04.14.14.13.84.34.13.9 3.63.84.2
 白血球数:3800~9300
免疫機能に関わる白血球の数。白血球数が増加している場合、感染症や炎症、ストレス、喫煙などが原因として考えられます。逆に減少している場合は、ウイルス感染症、再生不良性貧血、膠原病などが疑われます。
472032504460 35604470400044104030494040203910 333050704440815067509110
 Meut(5)(%)
白血球の中の好中球の割合。
5130434350514852623751495563816969
 好中球数
白血球数 x Neut5(%) = 好中球数。1000以上なら抗がん剤を継続投与できる。
2407975191715302235204021162095306214871994163127882797660146576285
 総ビリルビン:0.2~ 1.0
赤血球が分解される際にできる色素で、肝臓で処理され胆汁として排泄されます。肝臓の機能低下や胆道の閉塞があると高値になり黄疸の原因となります。
0.80.60.80.70.80.60.40.7 1.40.60.50.70.50.80.5 1.30.8
 直接ビリルビン:0.0~ 0.4
肝臓で処理されたビリルビン。
0.20.20.30.20.30.20.20.20.20.20.30.20.3
 AST (GOT):7~ 38
肝臓の細胞に含まれる酵素で、肝細胞が壊れると血液中に流れ出し
数値が上昇します。肝炎や脂肪肝などで高値になります。
3849 43 42 423835302427282829 53 55 42 51
 ALT (GPT):4~ 44
AST、ALTを見ることで、抗がん剤の副作用を抑制できているのか?をチェック。もし数値が上がる場合は体内への蓄積を考慮して薬の量を調整する。
2025252325192117181817161942 4939 156
 LDH:120~ 245
体内で糖がエネルギーに変わる代謝経路に関わる酵素。高値の場合、肝臓、心臓、血液、腎臓、肺、骨格筋の損傷など、広い疾患の可能性が考えられます。
312305 282 295 277 267 254 248187230226227 267 700 717 606 649
 ALP:38~ 113
臓、骨、腎臓、小腸などに存在する酵素。肝臓や胆道の病気、骨の病気などで上昇することがあります。
181170 163 146 118 125 138113104 120111 127 128 139 147 126 156
 γ-GTP:6~ 64
肝臓や胆道に多く存在する酵素。アルコールの影響や胆汁の流れが
悪くなると高値を示すことが多い項目です。
232022212423272628302844 66 171 146 156 161
 BUN:8~20
血液中の尿素に含まれる窒素の量。機能低下で値が高くなります。
12.48.710.410.610.011.412.112.814.716.011.113.915.011.910.611.910.0
 クレアチニン:0.4~1.1
筋肉の老廃物。機能低下で値が高くなります。
0.840.80.940.860.960.890.820.910.790.810.860.860.940.840.860.860.90
 CPK:22~ 222
筋肉細胞がエネルギーを作り出す際に重要な働きをする酵素です。
筋肉やこれらの臓器の細胞が障害を受けると、CPKが血液中に流れ出して数値が上昇します。
459633 356 378 306 358 276 28385 257214 231221120183152199
 総コレステロール:130~ 220
血液中のコレステロールの総量です。
173175167174191 232204159169183 268 283
 アミラーゼ:~ 130
糖質(でんぷん)を分解する消化酵素の一つです。膵臓と唾液腺から分泌される。
116136 136 131 131 1341111131021189810710273866158
 血糖:65~ 10990788788939396 122829489839886 127101106
 CRP:0.0~ 0.3
体内に炎症や組織の破壊がある場合に増加するタンパク質。感染症やリウマチなどの病気で高値になります。
0.00.10.10.10.20.10.10.00.00.00.00.00.00.3 0.8 0.6 0.4
 Na:135~ 148
ナトリウム
141140142141146141143143142142143142143139139139137
 K:3.5~ 5.0
カリウム
3.73.73.93.74.13.74.03.94.04.04.24.04.03.84.04.4
 Mg:1.7~2.6
マグネシウム。抗がん剤の副作用で減る傾向があり肌が荒れやすくなる。
2.01.82.01.82.22.12.12.62.22.32.52.3
 腫瘍マーカ:0.0~5.0
消化器の粘膜などを作るために活発に作られるタンパク質
 16 18 68 178 762 2223

※基準値は検査機関によって異なります。あくまで一例としてご覧ください。

最重要指標!?好中球(Neutro)とは?

血液検査の結果グラフ

抗がん剤治療の可否を判断する上で、医師が特に注視している項目が「好中球(Neutro)」です。

好中球は、白血球の成分の半分以上を占める、いわば白血球軍の中のエリート部隊・最前線で戦う兵士です。細菌などを真っ先に見つけて殺菌する、非常に重要な役割を担っています。

好中球とは

顆粒球と呼ばれるグループに分類される白血球の一種。白血球全体の約45~75%を占め、強い貧食作用を持ち、細菌や真菌感染から体を守る主要な防御機構となっている。

「がん」はどうやって治すのか(国立がん研究センター編)

そのため、好中球の数が極端に減ると、通常なら問題にならないような弱い細菌にも感染し、時には命に関わるような重い感染症(敗血症など)を引き起こす危険性が高まります。

私の主治医もこの好中球数をチェックしていて、

内科医師

大丈夫ですね。好中球が1000超えてますので、予定通り抗がん剤治療しましょう。

内科医師

1000を切ってしまうと、感染症のリスクが高くなるので抗がん剤はお休みして回復を待つことになります。

と診断されています。この「好中球1000/μL」というラインが、治療を継続できるかどうかの、一つの大きな目安となっています。

私の血液データを見ると、治療開始前の3月には6000/μLあった好中球ですが、6月には1487μLまで下がっています。抗がん剤の副作用によって免疫力が低下していることがわかります。

7月からは2000前後、8月末には1500まで低下。そして9月にはついに1000を切って抗がん剤治療を中断することになりました。

抗がん剤の専門知識を持つ看護師によると、

看護師

白血球を増やすことはできません。抗がん剤を減らすかお休みして身体を回復させるのが一番です

とのことです。

今回は2週間休むことになりました。免疫力が著しく低下しているので、マスク生活をして、人が多いところは避けて、ひっそりと生活しようと思います。

医師の診断に学ぶ「木を見て森も見る」視点

私はつい個々の数字の上下に一喜一憂してしまいますが、医師はそれら個々の数字(木)を見つつ、もっと大きな視点で全体を立体的に見ているようです。

いくつかの数値が基準を下回っていても、

  • その下がり方が予測の範囲内である
  • 回復の兆しが見える

場合には、医師は「順調」と判断します。

例えば、わたしは炎症数値であるCRPが再上昇しているのが気になりましたけど、主治医に確認してもらったところ、「全然問題ないですよ!」とのこと。

また、血液検査のデータだけでなく、私の食欲が変わらないことや体重の若干の増加、副作用が比較的軽めなことなどを総合的に見て、

内科医師

いまのところ順調ですね

と評価してくれました。

当たり前ですが、素人判断はあてになりません。医師の診断を受けながらきちんと治療を進めることが大事だと改めて実感しました。

現在何かしらの症状がある方は、自己診断で終わらせずに医師の診察を受けましょう。

まとめ

血液検査は、抗がん剤治療という長いトンネルの中においては、現在地を的確に教えてくれるGPSのような存在に感じます。

最初はただの数字の羅列にしか見えませんでしたが、医師や看護師に見方を教えていただいたことで、自分の身体の理解が確実に深まりました。

例えば、白血球や好中球が下がれば、

筆者

免疫力が低下してるかも。マスクや手洗い、うがいをしっかりして感染対策しよう!

という具合です。

このように、検査結果と行動をつなげることでより主体的に、そして前向きに治療と向き合えます。

これから血液検査を控えている方も、どうか数字の一つ一つに一喜一憂せず、信頼できる医療チームと共に、一歩一歩、着実に治療を進めていきましょう。

免責事項

この記事の著者である私は、医師や薬剤師などの医療資格を持つ専門家ではありません。

本記事の内容は、大腸がん闘病中の一人の人間として、

  • がん薬物療法看護認定看護師や腫瘍内科の医師への質問を通じて得た知識、
  • 国立がん研究センターに掲載されたがん情報

を個人的にまとめたものです。

つきましては、以下の点にご留意いただけますと幸いです。

  • 本記事は、医学的な診断や治療のアドバイスを行うものではありません。
  • 掲載情報については正確性を期しておりますが、その安全性を保証するものではありません
  • ご自身の治療については、必ず担当の医師や専門家に直接ご相談の上で、医師や専門家の指示に従ってください

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